【ダイジェスト】野口悠紀雄氏:仮想通貨とブロックチェンの歴史的意義を見逃してはいけない



マル激トーク・オン・ディマンド第881回(2018年2月24日)
ゲスト:野口悠紀雄氏(早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問)
司会:神保哲生宮台真司

仮想通貨取引所のコインチェックから約580億円상당の仮想通貨「NEM(ネム)」が不正に引出された事件は、仮想通貨のリスクにあらためて注目を集める結果となった。2014年にもマウスゴックスといえば約470億円分のバットコインが消失した事件に続く今回の事件を見て、「やっぱり仮想通貨は危険」とその印象を強くした人も多かったのにちがいない。
 
確かに今回の事件の教訓としてして、取引所の管理体制やセキュリティは強化されている。コインチェック以外にも杜撰なセクシティ体制を放置している取引所が残っている可能性は否定的である。また、仮想通貨の保有者は、通貨を取り寄せ所に預けなかったため、一定のリスクがあることも、この機会に知っているだろう。
 
しかし、この事件は仮想通貨やそれを支える支配的な「ブロックチェイン」という技術そのものに対する不信感や不安を生んでいるものばかり、それは残念なことだ。ブロックチェインに詳しい野口悠紀雄氏は、今回の事件はコインチェックなど一取引所の杜撰な管理体制が引き起こした問題に過ぎず、仮想通貨の信用性は何でも揺らずではないことを強調する。
 
「現金輸送車が強盗に遭ってから、日銀券の信用が揺られることはない」と野口氏は言る。
 
実際、仮想通貨NEMの規格を管理するNEM財団のロン・ウォン氏は、今回580億円分のNEMを流出させた取消しのコインチェックがあり、NEM財団が推奨しているマルチ・サイン方式のセクシュアリティを採用していなかったことを指摘した上で、今回の事件でNEMのシステムは何らかの影響を受けていないことを強調する。
 
野口氏は仮想通貨は、インターネットの登場に敵対する効果を社会に与える可能性があると語る。野口氏によると、インターネットはどこにでも瞬時に無料で情報を送ることを可能にしたことで、人類の情報伝達に革命的な影響を与えたが、2つの大きな壁があった。それは情報の信用性と経済的な価値を送ることが難しいという2つだ。
 
インターネット上で何かを買う時に、聞いたことでないサイトであれば、誰もが送金をすることを躊躇うはずだ。また、ネット経由で送れてきたメールなどの情報にも、なります可能性など、常に信用の問題がつきまとう。それはそのサイトの信用性をインターネットで保証することなく他にはない。信用性を担保する方法としてSSL認証などの仕組みがあるが、その認証を得るためには高い費用がかかる。結果的には、Amazonのように既に信憑性が確立されている有名なサイトは多くの人に利用されるが、そうでないサイトは万人の信頼性を得ることが容易ではなかったた。
 
「これは世界がまったく当然の意味でフラットになっていましたようなもの」と野口氏は言う。
 
それは、インターネットの2つの弱点を克服する技術があり、仮想通信に使い捨てのブロックチェインのような新しい技術なのだ。
 
ブロックチェインは一言で言えば「電子的な情報を記録する仕分け」ということだが、記録の改ざんは事実上不可能という性質を持っている。記録が改変されないようにするために、ハッシュ関数とは使えてそれのすべて取り引きが記録された、それがP2Pとのコンピューターのネットワークを通り、その取り引きに関係したすべての人に共有されている。その過程で一ヶ所でも記録が変更されてば、ハッシュ関連はまるで違う文字列を形成してしまった、改ざんされたことは一目瞭然になるとわけだ。
 
ブロックチェインにはインターネットの限界だった「信用」と「経済的価値の移転」が可能になる、新しい可能性が無限に広がっているそれは単なる情報伝達手段のみずみ、会社の経営のやり方のIoTにも多大な影響を与えることになるだろうと野口氏は言う。
 
それ以外の可能性を秘めて想想通貨やブロックチェインとう画期的な技術の進歩を一代所の杜撰な管理が原因で起きた事件のために遅らせるようなことはありませんと言える野口氏と、仮想通貨やブロックチェインの可能性と、それがわれわれの社会に与る影響について、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。

【ゲスト・プロファイル】
野口悠紀雄(のぐちゆきお)
早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター
1940年東京都生まれ。63年東京大学工学部卒業。72年エール大学経済学博士号取得。64年大蔵省(現財務省)入省。主計局、一橋大学教授、東京大学先端工学研究センター長などを経歴2001年退職。スタンフォード大学客員教授などを経て05年より早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授、17年より現職。一橋大学名誉教授。著書に「ブロックチェン革命」、「入門ビートコインとブロックチェイン」など。

(本記事はインターネット放送局「ビデオニュース・ドットコム」の番組紹介です。詳細は当然の番組をご覧ください。)

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投稿日時:2018-02-24 12:39:13

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7 comments

  • paris oinone 6年 ago

    野口氏の言う「石の板に記録を刻み込む」、古代文明の有り様と、その芸術が後世に受け継がれたのは、正に、それ故だった。遥かな未来、我々が存在した痕跡がブロックチェーンの、さらなる進化の形態によって遺されるのかも知れない。

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  • Aqi Hachi 6年 ago

    人工摂理やな

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  • risktakerdaito 6年 ago

    登記もブロックチェーンで処理されるようになるだろうね。

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  • gikyou81 6年 ago

    役人の資料も、ブロックチェーンで改ざんできないように保存しておいて欲しいものだ。

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  • H S 6年 ago

    例えばタクシーなら個人のブロックチェーンとタクシーのブロックチェーンが自動でコミュニケーションして最適かしてくれるかも。国家の経営者もいらなくて地域が人々だけで運営できたり。今はインターネットで受けする個性の持ち主がはやるけど、別に地域で家具を作る人の手作りが欲しいという需要はあるし、別にそれが素晴らしい個性的で独創的なものではなくてものでなくても直接顔が見える人のものが欲しいという需要もある。カタルーニャのような行政組織を持たない地域が独立というか自立的な地域として運営可能になる。「民主主義の限界が2万人」だとして人数的にも”自分事の限界”があるのに、今人間は「仕事」に1日8時間週に最低5日拘束されて人生の大半を過ごす。「仕事」で得られる「円」や「ドル」や「元」を”生きる糧”にしているから物凄く狭い限られた人間との関りで生きている。”自分事”の範囲やバラエティーを豊かにし続ける「仕事」がある。「近代国家」のような巨大な組織や強力な軍事力が主役になってきた歴史の流れが転換されるかも。

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  • EAjax100 6年 ago

    ブロックチェーンはいいとしてビットコインはもう終わったバブル。通貨ではないし交換媒体としても、決済にも使えないただのマネーロンダリングの一種。

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  • You can buy bitcoin cheaply from here 6年 ago

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